第15回目の題目は「キース仲間」です。
「どうも皆さんこんにちは〜!」
「なに?こないだのアップから間もないのに、ペース早いじゃん。」
「いや、最近嬉しいことがあってさ。早く報告したくて。」
「何?」
「最近私に、とても楽しいキース仲間が出来てね。みんな熱心にキースやストーンズのサウンドについて語る人達ばっかりでさ。すごく勉強になるんよ。」
「ほう。このごろそういう人って減ってるような気がするから、貴重なんじゃないの?」
「でさ、その中のAさんが、みんなにある質問をしたんよ。」
「何?」
「『"Can't You Hear Me Knocking"で、右側から聞こえる5弦リフはミック・テイラーですよね?』って。」
「え、なんで?」
「Aさんのいう理由は
1. 「STICKY FINGERS」はキースのギターは基本的に左チャンネルから聞こえるけど、あのリフはテイラー側の右チャンネルから聞こえる。
2. あのリフのギターの音は、"Sway"の右チャンネルでテイラーが弾いてる5弦の音とヒジョ〜に似ている。
3. ストーンズが長いことこの曲をツアーで演らなかったのに、テイラーはライヴで演奏していた。
4. なんかキースのノリと違うような・・・。 |
なんだって。」
「で、キース仲間の反応は?」
「私もBさんもCさんも全員『いや、あのリフを弾いてるのはテイラーではなく、キースですよ。』って答えたばい。」
「ま、そうだよね。」
「もともとAさんてのはギター弾く人だし、ストーンズのコピーもしてるし、ブートもたくさん聴いてるし、耳は肥えてるはずなんだけど、そういう人ほど陥りやすい錯覚とかカン違いとか思いこみとかがあるのかもしれないね。」
「ふむ。」
「でさ。念のために世間のストーンズファンは、このリフについてどう思っとるんやろう?と思って、ネットで調べてみたんよ。」
「ほう。」
「その結果、『STICKY FINGERS』のレビューはけっこういっぱい見つかったんやけど、曲ごとにいちいち「このギターを弾いてるのは誰々」って明記してる人はほとんどいなかったね。やっぱさぁ、わたしら一介のファンっていうのは、その録音/編集現場を直接見たわけやないから、絶対的な確証ある発言は出来ないわけやん。あくまでも推論でしかない。だから、明記しないんやないかな。」
「ま、そのレビューを書いた人達が全員そうだ、ってことじゃないんだけど、一般的に云って『このギターは誰々が弾いてる』なんていちいち考えないファンが多いってことは確かだろうね。だからこそ、その『楽しいキース仲間達』のことを貴重だと思ってる。」
「このかっちょいいギターを弾いとるのはいったい誰なんだっていう発想そのものがないってこと?」
「うん。で、そこをもうちょっと詰めると。『あぁ、キースが弾いてる』って姿を想像しながら聴いてるからこそ感じることが出来るカッコよさ、ってことがあるわけでね。だからそんなこと考えもしない人とは、受け取ってるものの量が圧倒的に違う。なんだけど。にもかかわらず・・・。」
「そんなストーンズ・ファンなんて有り?」
「むしろそっちの方が多い、っていう印象があるけどね。」
「・・・。」
「・・・。」
「で、検索結果に戻るけど、この"Can't You Hear Me Knocking"のリフに関してはけっこう特筆してる人がいてね。5人ほど見つけたよ。」
「何て書いてたの?」
「5人とも、あのリフはキースだって書いてた。」
「ま、そうだろうなぁ。」
「んでさ。ここからが重要なんだけども。レビュー読んでて気付いたんやけど、"Bitch"の右側
から聞こえるリフ、あれをキースが弾いているって書いてる人がチラホラいたんよね。」
「え〜っ?あれがキースって・・・。あれは、テイラーですよ。テイラーの性格がよく出てる正確なリズムじゃん。って云うか、まずなにより、キースではありえないギターですよ。」
「でしょ、でしょ?そうは思ったんやけども、一応キース仲間にも訊いてみたんよ。」
「なんて?」
「Bさんがね、『右側のヤツはテイラーです。(でも)俺もずっとキースだと思っていました。』って言ってた。」
「まあ確かに、左に比べると、右はちょっと難易度高いかもね。」
「左側のリードはキース丸出し、キースでしかあり得ないギターだけど、右側のリフはテイラーでしかあり得ないってギターってわけやないもんね。」
「う〜ん。まぁね〜。でも、まずまちがいなくテイラーだと思うよ、右は。」
「あ、そっ。」
「要するに、『そういうつもりで』聴きさえすれば、キースとテイラーの聞き分けなんて簡単でしょ。」
「う〜ん。でもね、ちょっと気になることが、つ〜かめちゃめちゃ気になることがあるんよ。」
「何よ?」
「私、虎の巻持ってたの思い出してね。本棚の奥の方から久々引っぱり出してみたんよ。」
「虎の巻?」
「うん。私が'83年に買ったスコア『ローリング・ストーンズ・ベスト・ヒット・スコアVol.2』ばい。」
「スコアって、あんたその頃ギターの練習してたの?」
「ま〜ね。即中止したけどね。キースは絶対私よりも3センチくらい指が長いに違いなか。所詮女の指じゃギターは無理ばいって、本能で悟ったからね。」
「なに偉そうに・・・。出来るまでやるんだよ、普通・・・。で、ギターは何使ってたの?」
「それが当時さ、ベスト電気の楽器売場でさ。」
「出た〜!ベスト電気!T田さんの話にもよく出てくる、あのベスト電気ね?」
「そっ。ベスト電器福岡本店ね。博多はもとより、全九州、いや山口県あたりまでをも含むストーンズファンの聖地やったんばい。私らはギターはもちろん、ストーンズのブートもベスト電気で買うとったんばい。キニーがなんぼのもんじゃい!って思うとったね。」
「わかった、わかった。ハイハイ。で、ギターは?」
「それがね、ちょうど映画『Let's Spend the Night Together』が上映された頃でね、ベスト電気がキース人気に便乗して、楽器売場にフェンダー・テレキャスター・カスタムの特設コーナーを作ってさ、ど〜んと展示してたんよ。確か値段は40万円前後、いや50万円前後だったかな〜?あたしゃゲーセンのバイト帰りにちょくちょくそれを拝みに行ってたんばい。」

「まさか、それ買ったの?」
「まさか、ばい!だって当時の私の時給は430円やったんばい!買えるかっちゅうの!」
「んで?」
「ま、かなりランクは落ちるけど、それでも一応目立つところに展示してあった黒いギターが気に入ってね。それ買った。3回払いで。」
「何よ何よ?」
「ぁにぁふょ・・・」
「なにっ?」
「あにぁぷょ」
「出たーーーっ!アリアプロ!」
「あとでわかったんやけど、ジャーニーのニール・ショーンと同じモデルやったげな。」
「好きなの?好きだったの?ニール・ショーン。『ショーンとおんなじ!』ってやつでしょ?」

「・・・。で、スコアに話し戻すけど。」
「戻せ戻せ〜!」
「奥付によれば発行がシンコー・ミュージックで、解説は青柳つとむ。」
「ふむ。」
「これに『STICKY FINGERS』の"Bitch"の解説が載っとるったい。」
「おお、そりゃ好都合。」
「ところがだよ。聞いて驚くんやなかばい!」
「何よ?」
「にゃんと、青柳つとむ氏の解説によれば、左側がテイラー
で 右側がキース になっとるんよね、これが!」
「マジで!?」
「そっ。左側のギターについて『のっけから美しいプリング・オフを響かせるミック・テイラーのセンスあるギターだ。これは彼の愛器として有名なギブソンSGスペシャル('69年頃のモデルで、ブリッジに多少の交換がある)で、多分フェンダー・ツイン・リバーブにビルト・インされた音だろう。』って、具体的に解説してある。」
「ま、ま、まじっすか!?」
「で、右側のギターについては『多少崩してあるところもあるが、そのほとんどがテーマ・フレーズを繰り返しているだけのキースのギターだ。』って。」
「アイタタタタタ!」
「スゴイやろ?」

「・・・はぁぁ〜。」
「ふうう〜。ど〜いうことだと思う?」
「ま、はっきり言っちゃうと、解説者が間違っちゃったってことですね!」
「だってさ、具体的に使用ギターとかアンプまで明言しとるんばい。私には楽器や器材の目利きつ〜か、耳利きまでは出来んからね。」
「でも間違っちゃったんだから、しょ〜がないよね。」
「だって、天下のシンコー・ミュージックに執筆依頼されたプロなんよ。」
「プロでも間違っちゃったものは間違っちゃったんだよ。」
「だって、だって、だって・・・。」
「その解説者の名前、何ていうんだったっけ?もう一回おしえて。」
「青柳つとむ。」
「う〜ん。やっぱ聞いたことないな〜。グーグルで調べてみよっか?」
「ちょっと待って。」

「何か出てきた?」
「で、で、出てきたばい!ス、ス、スゴか〜っ!」
「え、何?何が出てきたのよ?」
「うわああああ!な〜んてこったい!」
「えっ!?何、何、何っ!?」
「これで全ての謎が解けたばい。」
「ドキドキドキ・・・。」
「それでは発表します。」
「青柳つとむ・・・。」
「ビクター公認」
「KISSファン・クラブ初代会長!!」
「KISSっすか〜!」
「そっ。KISSばい。」
「会長かよ!?」
「初代ばい。」
「はああ〜。」
「ふうう〜。」
「これさっそくキース仲間に報告しなきゃ。」
「そげんたい。」
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